こんにちは、数々のマンション取引をサポートしてきた者として、今回はタワーマンションの売却について深く掘り下げていきます。
多くの人が憧れるタワーマンション。
しかし、売却を考えるとき、階層によっては売却が難しくなることがあるのをご存知でしょうか。
特に低階層の部屋は、高階層に比べて売却が難しいというデータが出ています。
1.タワーマンションの低階層が高階層よりも売却しにくい5つの理由
単純に資産価値が低いとみなされる傾向があるため
タワーマンションの購入を検討する際、多くの人が高階層の部屋を希望することが多いです。
その理由として、やはり眺望やプライバシーを求める声が大きいのです。
一方で低階層の部屋は、価格が低めに設定されることが多いため、購入を検討する際の資産価値としては低いとみなされがちです。
結果として、これが売却価格の低下を招く要因となります。
眺望が普通のマンションと変わらないため
タワーマンションの大きな魅力として、高層からの絶景が挙げられます。
しかし、低階層の場合、特段眺望を楽しむことは難しく、周囲のビルや住宅と変わらない景色を望むことが多いです。
高価なタワーマンションに住んでいながら、普通のマンションと変わらない眺望を得ることは、多くの購入希望者にとって大きなマイナスポイントとなります。
空き巣のリスクなどセキュリティ面で不安があるため
実は、低階層は外部からのアクセスが比較的容易であるため、セキュリティの面での不安が高まるという意見が多いのです。
窓からの侵入や不審者の出入りが容易になることから、特に家族を持つ人々は低階層の部屋の購入を避ける傾向にあります。
階層カーストを気にする方にとっては手を出しにくいため
この点は少しデリケートな話となりますが、一部の人々は住む階層が社会的なステータスとして捉えられることがあります。
高階層ほど社会的な地位が高いという考えを持つ人々にとって、低階層の部屋は選択肢として考慮しづらくなります。
上の階や外部からの騒音が入りやすいため
特に都市部のタワーマンションに住む際、外部の騒音は避けられないものです。
しかし、低階層は、上階からの足音や道路からの騒音、または隣接するビルからの騒音が入りやすくなります。
静かな生活環境を求める購入希望者にとって、これは大きなネガティブポイントとなるのです。
タワーマンションの低階層が売却しにくい5つの理由を詳しく解説しました。
しかし、ここで肝心なのは「どうすればそのハードルを越えて、低階層の部屋も魅力的に売り出すことができるのか?」という点です。
次章ではその対処法について詳しくお話ししましょう。
2.対処法:低階層のタワーマンションを魅力的に売り出す3つのポイント
室内のリノベーションで価値を上げる
部屋の階層や眺望は変えることができませんが、室内の設備やデザインは変えられます。
資産価値を高めるためには、時代に合わせた最新の設備やトレンドを取り入れたインテリアデザインのリノベーションを検討しましょう。
例えば、オープンキッチンや、節水・節電型の設備、ウォークインクローゼットなど、新しいライフスタイルに合わせた設備やデザインは購入希望者の心を引きつける要因となります。
セキュリティ対策を強化する
低階層の部屋の最大のデメリットの一つがセキュリティ面の不安です。
そのため、窓に防犯フィルムを取り付けたり、セキュリティカメラの導入、またはエントランスのセキュリティを強化するなど、具体的な対策を施すことで購入者の安心感を高めることができます。
さらに、管理体制を強化することで、24時間体制のセキュリティガードの常駐や、入退室の際のID確認などの対策も考えられます。
騒音対策を行う
低階層は上階からの騒音や、外部からの騒音が入りやすいという問題があります。
これに対処するためには、防音材を使用したリフォームや、高性能の防音カーテンの導入、さらにはサッシの二重窓化など、具体的な騒音対策を施すことで、部屋の快適性を大幅に向上させることができます。
オーナーとしての取り組み
売却を考えるオーナーとしては、これらの対処法を取り入れるだけでなく、購入希望者とのコミュニケーションも重要です。
部屋の魅力やリノベーションのポイント、さらにはセキュリティや騒音対策の取り組みをしっかりとアピールすることで、購入希望者に安心感を与え、ポジティブな印象を持たせることができます。
また、不動産業者との連携も重要です。専門の業者と連携し、売却戦略を練ることで、低階層の部屋であっても、高価格での売却を目指すことが可能となります。
タワーマンションの低階層の部屋は、確かに売却しにくいというデータは存在しますが、適切な対処法やアプローチでそのハードルを越えることができます。
オーナーとして、しっかりと取り組みを行い、魅力的な部屋を作り上げていきましょう。
3.タワーマンションの低階層でも確実に売るための7つのポイント
売却を希望するオーナーにとって、タワーマンションの階層は大きな懸念となりますが、適切なアプローチでそのハードルを乗り越えることは十分可能です。
以下、低階層でも確実に売るための7つのポイントを紹介します。
物件が劣化して価値が下落する前に売る
不動産は経年劣化が進むと、その価値が下がる傾向にあります。
特に内装や設備に関しては、新しい物件と比べて劣化が顕著になり易い。売却を考えるオーナーは、あらかじめ物件の点検やメンテナンスを行い、劣化の兆候を早めにキャッチして対処することが大切です。
2~3月など物件が売れやすい時期を狙って売り出す
不動産市場には売れ筋の時期があります。
新生活が始まる春先の2~3月は、多くの人々が引っ越しを考えるため、物件の需要が高まります。
このような売り手市場となる時期を狙って物件を売り出すことで、高価格での売却を期待できます。
価格が安いことを強みとして見せる
タワーマンションの低階層の物件は、一般的に高階層の物件に比べて価格が安く設定されることが多いです。
この価格の安さを、購入希望者に対しての大きな魅力としてアピールすることで、売却を成功させるチャンスを増やすことができます。
災害時の停電や地震の揺れに強いなど、低階層ならではのメリットを強調する
低階層は、高階層に比べて地震の揺れが少なく、また停電時にも非常階段を使用しての避難が容易です。
このような低階層ならではの安全面のメリットを、購入希望者にしっかりとアピールしましょう。
採光や風通しのよさなど、アピールポイントを階層からズラしてみる
一般的に高階層は眺望が良いとされますが、低階層でも採光や風通しの良さをアピールポイントとして挙げることができます。
低階層ならではの、豊かな自然の恩恵や緑の眺めなど、生活の質を高める要因をアピールしましょう。
建築が2018年以降であれば、固定資産税が減税されていることをアピールする
2018年以降に建築された物件は、固定資産税の減税措置が受けられる場合があります。
このような経済的なメリットを強調することで、購入希望者の関心を引きつける要因となります。
地域や建物の歴史、文化的背景をアピールする
物件の周辺には、文化的な背景や歴史的な建造物、名所・旧跡など、多くの魅力があります。
これらの地域性や文化的背景をアピールすることで、購入希望者に物件の独自の価値を感じさせることができます。
これらのポイントを踏まえて、売却活動を進めることで、低階層のタワーマンションでも高価格での売却を目指すことができます。
オーナーとしては、積極的な取り組みと、正しいアプローチが必要です。
4.タワーマンションの売却に強い業者に仲介を依頼する
一般の不動産業者とタワーマンションの売却に強い業者は、売却戦略やノウハウ、情報提供の幅において大きな違いがあります。
タワーマンションの売却に特化した業者は、その特性や市場動向、需要層の特徴などに詳しく、適切なアドバイスや戦略を提供してくれます。
特に、低階層のタワーマンションの売却は、通常の不動産取引とは異なるアプローチが求められます。
そのため、経験豊富な業者に仲介を依頼することで、確実に高額での売却を実現する可能性が高まります。
また、専門的な業者は、物件の魅力を最大限に引き出すためのマーケティング戦略や、効果的な宣伝手法も持っていることが多いので、効率的な売却活動を期待できます。
タワーマンションの低階層の売却に関する質問と回答
以下、よくある質問とその回答を解説します。
Q.低階層と高階層の価格相場の差はどのくらい?
A. 価格相場の差は、物件の立地や建物の年数、設備の充実度など多くの要因に影響されますが、一般的にタワーマンションの低階層は高階層に比べて10%〜30%程度安く設定されることが多いです。
眺望の良さやプライバシーの確保など、高階層ならではのメリットが価格に反映されるため、このような差が出ます。
しかし、それに伴い低階層ならではのメリットも存在するので、アピールポイントを工夫して購入希望者に伝えることが大切です。
Q.低階層はどんな人に人気?
A. 低階層のタワーマンションは、以下のような層に人気があります。
・家族を持つ世帯: 地上からの距離が近いため、子供や高齢者の安全性を考える家族に選ばれることが多いです。
・災害への備えを重視する人: 地震の際の揺れが少ない、停電時に非常階段の利用が容易など、安全面でのメリットを評価する人々。
・緑や自然を重視する人: 低階層からは、周辺の緑や植栽、庭園などの景色を楽しむことができます。
都心のタワーマンションでも、このような自然の風景を重視する人々に選ばれることがあります。
タワーマンションの低階層の売却は、適切なアプローチや戦略が必要です。
専門的な知識を持つ業者に仲介を依頼することで、確実に売却を成功させるためのサポートを受けることができます。
本記事が、皆様のマンション売却の参考となれば幸いです。